『戦国合戦事典』

 

小和田哲男 編著

三省堂 刊

昭和59年11月25日(初版) 950円
262ページ

評 価
★★★

著者は1944年静岡県生まれ。早稲田大院卒、静岡大教授。著書に『桶狭間の戦い』『三方ヶ原の戦い徳川秀忠』『明智光秀』『石田三成』『戦国武将など多数。
中世日本史の研究者として著書が多数あり、マスコミへの露出度も高く、この分野では第一人者とされている。

応仁の乱から大阪夏の陣まで、戦国期の主要な合戦を概説している。また、かなりマイナーな合戦も一部集録されている。単行本サイズで、携帯にも便利で、良く纏められた一冊だ。

合戦は、起きた時系列順に掲載されており、これだけを通読してもまあまあ楽しめる本だろう。全国の合戦が載っているので、当時、どのような情勢であったのかが、全国規模で俯瞰できる。

記載内容は、通説に沿ったものであり、史料的な検討はあまり為されていない。しかし、これは本の性格上止むを得ないだろう。それよりもコンパクトなことに価値がある。

したがって、戦国期の歴史・合戦史の入門書といったところであろうか。

編著者曰く、
「川中島の戦いや、関ヶ原の戦いのように、あまりにも有名な戦いから、きわめてローカルな、その土地の人にしか知られていないような戦いもできるだけとりあげている。(中略)図版を豊富に入れたので、対陣図などで、戦国武将のかけひきを読みとっていただけるだろうし、実際に古戦場を歩く際のガイド・ブックにもなるはずである。」

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城と古戦場