『戦国大名の日常生活
信虎・信玄・勝頼』
笹本 正治 著 |
講談社選書メチエ 刊 |
2000年5月10日(初版) |
評 価 |
著者は、1951年山梨県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士課程前期修了。信州大学人文学部教授。博士(歴史学)。著書に『中世的世界から近世的世界へ』『戦国大名武田氏の研究』『軍師 山本勘助』『村上義清と信濃村上氏』など。
本書は、”勝つことを宿命づけられた存在。それが戦国大名だった。利益しだいですぐ離反する家臣。地域エゴむき出しの領民…。国を治め天下を望む以前に、彼らの欲望をみたすのが先決の、薄氷を踏むような日々。合戦からは見えない赤裸々な姿を、甲斐武田家三代を通して活写する。
甲斐武田氏研究の第一人者が、信虎・信玄・勝頼の関して、様々な角度から、その生き様を描いている。 特に好意を持てるのが、しっかりとした史料に基づいた記述になっており、信頼の置ける内容であるという点。『甲陽軍鑑』も採用できる箇所が多々あることが読み取れる。 体系的に整理された事典とは言い難いが、読み物としては大変面白い一冊である。 著者曰く、 |