『村上義清と信濃村上氏』

 

笹本正治 監修

信毎書籍出版センター 刊

平成18年3月15日(初版) 1500円
281ページ

評 価
★★

監修者の笹本氏は、戦国武田氏研究では一線に立つ歴史家である。1951年生まれ、信州大卒、信州大教授。著書多数。

本書は、村上義清葛尾城のある長野県坂城町が平成17年に行ったフォーラムの内容を書籍化したものである。

『村上義清と信濃村上氏』というタイトルは、武田氏に興味を持つ者であれば、かなり魅力的だが、内容はフォーラムを忠実に録取したもので、ちょっと期待はずれであった。小学生の報告や座談会の備忘録も掲載されているからである。

すなわち、村上義清がどのような人物だったかの学術的な報告を望むと、それには応えてくれないだろう。

ただ本書では、村上義清に関する史料の記述もあり参考となるが、要するに、村上義清については、非常に史料が乏しく、その人物・歴史についてほとんど解明できない、という残念な事実を知ることが出来るのである。

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