『長篠之戦』
高柳光壽(高柳光寿) 著 |
株式会社 春秋社 刊 |
1955年(昭和35年)11月20日(初版) 390円 |
評 価 |
著者は、戦国史研究の権威であった。 その研究は、極めて実証的で、予断を持たず、数多くの史料を冷静に分析される。博士の打ち出された新説の多くは、当時は画期的なものだったろうが、現在は通説になっている。 「戦国戦記」としてシリーズ化されたもののひとつ。他に本能寺の変、賤ヶ岳の戦い、三方ヶ原の戦いが出版されている。(いずれも必読の名著である。) 本書は、有名な長篠合戦を、例にもれず、史料に基づき、鋭い洞察力で、新説を打ち立てながら記述されている。また、引用史料が明記されている点も素晴らしい。 悪名高き旧参謀本部の『日本戦史』による誤った歴史を訂正した功績は計り知れまい。 著者はいう、 また、長篠の戦いについて、 |
(本書より著者近影。長篠城での一枚という。)