『よみがえる中世【6】』

実像の戦国城下町 越前一乗谷
 

小野 正敏、 水藤 真 編著

平凡社 刊

1990年6月1日(初版)
222ページ 3,300円

評 価
★★★

編著者小野正敏氏は、1947年、神奈川県生れ。70年、明治大学文学部史学地理学科卒業。72年、福井県教育庁朝倉氏遺跡調査研究所を経て、国立歴史民俗博物館教授。著書に『戦国城下町の考古学』(97年、講談社)、共編著に『戦国城下町の考古学』『古代史復元10 古代から中世へ』『日本通史別巻3 中世の考古資料』など多数。

編著者水藤真氏は、1945年愛知県生まれ、1970年東京大学文学部国史学科卒業、国立歴史民俗博物館教授等を経て、東京女子大学教授。主著に『人物叢書 朝倉義景』『絵画・木札・石造物に中世を読む』『木簡・木札が語る中世』『戦国の村の日々』『片隅の中世』『播磨国鵤荘の日々』『棟札の研究』『博物館学を学ぶ』。

本書は、「谷の小京都朝倉氏の夢の跡。歴史考古学の一大成果。待望久しい、一乗谷の生活・信仰・都市文化のすべて。 」というもの。

一乗谷、越前朝倉氏研究の重鎮が編集したものである。一乗谷の発掘・研究の状況が、多くの写真・図とともに、コンパクトにまとめられた好著である。非常に分かりやすい内容で、一乗谷での中世の人々の息吹が感じられる。既に25年近く前の古い一冊であって、その後も研究は進んでいるのであろうが、当座、この一冊を読めば一乗谷のことは大体知ることができよう。本書を読み、じっくりと一乗谷を散策することは、日本人としてこの上ない贅沢であろう。

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