小浜城

標高50m、比高50m。

小浜(こばま)城(千葉県いすみ市大原)は、明応二年(1493)、上総国万木城主・土岐頼定が伊南領を守るため、雄臣・鑓田美濃守勝定に命じて、万木城の支城として築城したことに始まる(『房総治乱記』『日本城郭大系』)。

天正十七年(1588)二月、美濃守が相州三浦に軍をすすめて北条氏と戦った時、その虚に乗じて、勝浦城主・正木左近大夫は小浜城を襲いこれを攻めとった(『現地案内板』)。

房州里見氏は援軍を送って小浜城の奪回を図ったが、攻め落とすことができなかった。無念に思っていた美濃守は三月に夜陰に乗じて激しく城を攻め、ついに奪還に成功した。しかし翌年に本多忠勝が大多喜城主になった頃、小浜城は本多氏に攻略され、その姿を消した(『現地案内板』)。

現在は「城山」と呼ばれ、東・南・北の三方が太平洋に臨み、海面から50mに及ぶ断崖絶壁は天然の要害である。海に突き出した台地を中心に、一番高い所が本丸で、そこには八幡神社が祀られている。その南に一段低い郭があって、小郭の跡(居館跡)が段々になって形成されている。城自体が船溜りを備えた典型的な中世の砦である(『日本城郭大系』)。ただ、遺構はあまり期待できず、見所の土塁跡もコンクリで固められている。

(参考サイト:埋もれた古城

(付近地図)

 

(【左写真】城址碑〔主郭部跡〕【右写真】土塁跡〔コンクリで固められた…〕)

 

(【左写真】八幡神社入口〔大手口〕【右写真】船溜まり〔城址南側〕)

戻る