『川中島の戦い』
-戦史ドキュメント-
平山 優 著 |
学習研究社 刊 |
2002年6月17日(初版) 651円+683円 |
評 価 |
著者は1964年、東京都出身。立教大学大学院修了。山梨県史編纂室所属。山梨大学講師。戦国武田氏を中心とした研究活動を精力的に行なっている。 戦国時代の極めて著名な川中島の合戦について詳述したもので、新書サイズながら、上下巻で650頁を超える大著である。 現在出版されている川中島の戦いに関する文献の中では、もっとも優れた書である。 川中島合戦は、『甲陽軍鑑』の内容が人口に膾炙しているが、その内容に疑わしい点が少なくない。また、その他、古文書などの確かな史料も乏しい。 本書は、その難題に挑戦したものである。内容は、実に学術的であり、引用される史料も多岐に亘る。ほとんど現存するすべての史料を分析されているのではないだろうか。 とはいえ、史料の制限から、合戦の詳細については『甲陽軍鑑』に依拠せざるを得ないことに変わりはない。 著者曰く |