『日本城郭全集』

 

大類 伸 監修

人物往来社 刊

1967年12月頃(初版)
1000円

評 価
★★★★

 

城郭研究の基本的史料である『日本城郭大系』の前身となる書籍。

監修者である大類伸氏は、明治17年東京都生まれ。東京大学史学部卒。東北大学名誉教授、明治大学講師などを歴任。文学博士、日本学士院会員。ルネサンス文化研究の権威とされた。

本書は、全国の城郭を、16冊に県別に分け、それぞれ網羅的に紹介・研究しているもの。

日本城郭大系』との違いとしては、B5サイズで携帯しやすいこと、城が名前順に掲載されていることである。
しかし、記載はかなり簡素なものも見られ、『日本城郭大系』が出版されている現在ではあまり価値を有しないかも知れない。
ただ、『日本城郭大系』が巻末に一覧表として簡易掲載している城についても一通りの記事を載せており、併せて所有することは無駄ではないと思う。

ともかく、絶版で入手困難なものもであるが、城郭マニアにとってはなかなか魅力的な一冊であり、現在出版される下手な城郭本よりはよほど読み応えがある。

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城と古戦場