『日本城郭大系』
児玉幸多・坪井清足 監修 |
新人物往来社 刊 |
昭和54年頃 |
評 価 |
『日本城郭全集』に続く城郭研究の集大成。 全十八巻(別巻二冊もあり)から成り、日本全国の城・砦・館を網羅した専門書・学術書。 古文書・史料の引用、写真・概念図の掲載も豊富で、その後現在までの城郭研究の基礎となるべきもので、本書が与えた影響はとても大きいだろう。 惜しむらくは、刊行されてから日数が経っており、記事に古いものが散見されることである。ぜひとも新刊が出されることを期待する。 それでも本書はぜひとも入手したい城郭本である。すでに絶版になっているが、古書の流通は豊富で、古書店やネットで探せば比較的容易に購入できる。 ただ、第8巻(長野・山梨)、第11巻(京都・滋賀・福井)、第12巻(大阪・兵庫)は、なぜか数が少なく、あまり目にすることはない。 本書を読み、そして、『日本城郭大系』にも載っていない城砦を知りたくなったら、それはもはや完全な研究家の域に入ったと評すべきものである。 |