『智将 大谷刑部』
池内昭一 著 |
新人物往来社 刊 |
平成2年2月10日(初版) 2300円 |
評 価 |
著者は、1921年滋賀県生まれ。慶応大卒。滋賀県教育委員会勤務、文芸通信社、秀文社を経営。主な著書に『蒲生氏郷』『竹中半兵衛』『戦国合戦大事典』『織田信長事典』など。 本書は、戦国武将として人気の高い大谷吉継の伝記。 智勇兼備の名将で、癩病(一説にハンセン病)を患い、崩れた顔に白い布を覆って忠義を尽くし関ヶ原に散る生き様を知りたいと思うのは当然だろう。よく知らないが、大谷に関する史料はさほど多くないのであろうか、こういった大谷だけを扱った専門書には出会ったことがなく、衝動買いした。 しかし、内容的には、必ずしも満足できるものではなかった。 その出生から自刃までの一生を記してあるが、出典の明記が十分でないこと、後年の俗書の採用にも積極的であること、小説調の書き振りも散見されること、などからである。 大谷に関する小説はいくつか出版されているが、これでは、小説と専門書の区別が明確ではないというのが率直な感想であった。 著者曰く |