『村上義清と信濃村上氏』
笹本正治 監修 |
信毎書籍出版センター 刊 |
平成18年3月15日(初版) 1500円 |
評 価 |
監修者の笹本氏は、戦国武田氏研究では一線に立つ歴史家である。1951年生まれ、信州大卒、信州大教授。著書多数。 本書は、村上義清の葛尾城のある長野県坂城町が平成17年に行ったフォーラムの内容を書籍化したものである。 『村上義清と信濃村上氏』というタイトルは、武田氏に興味を持つ者であれば、かなり魅力的だが、内容はフォーラムを忠実に録取したもので、ちょっと期待はずれであった。小学生の報告や座談会の備忘録も掲載されているからである。 すなわち、村上義清がどのような人物だったかの学術的な報告を望むと、それには応えてくれないだろう。 ただ本書では、村上義清に関する史料の記述もあり参考となるが、要するに、村上義清については、非常に史料が乏しく、その人物・歴史についてほとんど解明できない、という残念な事実を知ることが出来るのである。 |