『検証・三方ヶ原合戦』
小楠 和正 著 |
静岡新聞社 刊 |
2000年3月15日(初版) |
評 価 |
著者・小楠和正氏は、1936年浜松市生まれ。静岡大学卒、公立中学校教諭、浜松市立中央図書館非常勤職員、NHK「三方ヶ原合戦」の資料調査に協力、郷土史家。著書に『結城秀康の研究』『浜松城時代の徳川家康の研究』など。徳川家康の研究家としては、浜松市の第一人者とされている。 本書は、三方ヶ原の戦い(みかたがはら・元亀三年(1573年1月25日)、遠江国敷知郡の三方ヶ原(静岡県浜松市北区三方原町)で起こった、武田信玄軍2万7,000人と徳川家康軍1万1,000人(うち織田軍3,000人)との間で行われた戦い。信玄の西上作戦の過程で行われた戦いであり、家康が大敗したことで有名な戦である『Wikipedia』)を史料の面から再検討する著作。 三方ヶ原の戦いについては、すでに、高柳光寿氏の三方原之戦が名著として先行しており、そのほか、これを題材とする専門書も複数出されている。 地理的な検証が多いことから、合戦のスポット的な検証という面になっている点、かなりマイナーな地名が多く、地図との併載が望まれた点が少々残念であるが、全体に見て、三方ヶ原の戦いを深く知るのに非常に有益な一冊であった。 著者曰く |