『異説 もうひとつの川中島合戦』
紀州本「川中島合戦図屏風」の発見
高橋 修 著 |
洋泉社 刊 |
2007年3月21日(初版) |
評 価 |
著者高橋修氏は、1964年埼玉県熊谷市生まれ。立命館大学文学部卒業。神戸大学大学院文化学研究科博士後期課程中退。和歌山県立博物館学芸員を経て、現在は茨城大学人文学部教授。日本中世史専攻。地域社会における武士団(在地領主)の存在形態について研究するかたわら、「戦国合戦図屏風」に関する調査・研究に取り組む。 本書は、「今回発見された「屏風絵」には、通説とは違って謙信・信玄が川の中に馬を乗り入れ、共に太刀を振るう姿が描かれている。さらに細部を検証すると、白兵戦の中で、謙信側の一人の武将が、悠然と陣を構えている姿がある。この屏風絵の中でも、別格扱いの武将は一体誰か?その武将の子孫が、後に紀州徳川家に軍学者として仕官し、殿様・頼宣のもとで、通説とは異なる上杉勝利の「屏風絵」を作ったという。通説が正しいのか?紀州本「川中島合戦図屏風」の説が正しいのか。 」というもの。 まず、本書のタイトルである「もうひとつの川中島合戦」というのは、内容とは即していない。編集部による詐称とさえ思える。 しかしながら、小生は、「川中島合戦」には関心はあるものの、紀州本「川中島合戦図屏風」には何の興味も無い。 そういった意味で、この書を手に取ってしまったのは、時間の無駄でしかなかった。 |