『戦国の終わりを告げた城』

 

椚国男 著

六興出版 刊

平成3年7月20日(初版) 1400円
269ページ

評 価
★★★

元八王子工業高校教諭で、高尾付近の歴史に詳しい著者。自然・文化財の保護にも努めておられる。
特に八王子城の研究では先駆的な存在で、数多く見学会などを催されている。

本書は、その長年に亘る八王子城研究の集大成ともいえるもので、八王子城に関してほとんど網羅されていると断ずることができる。

学術的なことばかりではなく、八王子城の保護運動や四季なども書かれ、読み物としても楽しめる。

その中でも興味深いのは「第三章 忌み山となる」で、心霊スポットとして喧伝される八王子城について、いくつかの伝承と事実(怪談)を紹介されている。
実際、サイト管理人も八王子城では不気味な体験をしており、看過できないものである。

著者曰く、
「八王子城にはこの山や悲劇の深奥に人びとが立ち入るのを拒むところがあり、(中略)城山会会員の半数ちかくの身辺に不幸が生じた。」

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城と古戦場