『戦国の山城』
馬場廣幸 著 |
銀河書房 刊 |
平成3年10月10日(初版) 1600円 |
評 価 |
長野県須坂市在住の著者。数年をかけて山城を歩き、「荒れ果て、訪れる人も少なくひっそりと当時の面影をとどめている」ところに興味をひいたという。 長野県を中心に、武田氏関連の城郭を紹介されている。 それなりにマイナーな城郭も載っているが、ちょっと専門書として扱うことはできない。 城を訪れた時の写真、感想を掲載しているが、ただの羅列といってよく、整理は悪い。城の歴史などもほとんど触れられていない。 文献としては見るべき点は少ないが、このような本を出版社から出せるというのは羨ましいし、幸せなことである。 なお、表紙の土橋の写真は犬甘城のものである。(画像としては判りやすい遺構だが、この城郭を表紙にもって来ることは、ちょっと首を傾げたくなる。なぜなら、右上の灰色の場所は城山公園としてコンクリート整備されたものである。信州には、住宅の迫った犬甘城と違い、人を近づけない山城が星の数ほど存在している。『山城』と銘打つのであれば、それらを象徴的に採用してもらいたいものだ。) |