『東葛の中世城郭
千葉県北西部の城・館・城跡』
千野原 靖方 著 |
崙書房出版 刊 |
2004年2月20日(初版) 3,800円 |
評 価 |
著者は、1964年栃木県生まれ。本籍地・千葉県市川市。明治大学卒。専門は東国中世史。房総中世史研究所主宰(研究雑誌『中世房総』発行)。 本書は、東葛地方の城館跡について調査し、所在地を確認するとともに、明治時代の地形図をもとに城地の復元を試みている。築城時期や城主など城館の歴史・伝承に関しても可能な限り検証を加え、城と水上交通の関連にも注視されている。 専門家として、実に真摯な一冊である。掲載されている城郭の地理的範囲は広くないが、それぞれの城館について、史料・資料に基づき、極めて詳細な研究が施されている。 かなりマイナーな城砦も載せられており、できうる限り縄張図・概念図も掲げている。また、その所在地が地図上に明記されており、これら城館を訪問するのに重宝する。 ともかく、「千葉県北西部(東葛)」の城館を知るには、本書を上回る書籍は見当たらない。本サイトも同書に負うところが大きい。 著者曰く、 |