『信州の城と古戦場』

 

南原公平 著

令文社 刊

初版(昭和49年)
平成6年9月1日(23版) 1100円
310ページ

評 価
★★★★

著者は、明治38年-昭和59年。 東京で朝日新聞から新聞界に入り、京都日日新聞、東亜新報などを経て、昭和24年から昭和35年まで信濃毎日新聞論説委員をつとめる。その後は著述業。 おもな著書に、『信州歴史散歩 起伏する群像』(創元社)、『信州歴史の旅』『信州の高原』『信州のまほろば 塩田平とその周辺』(以上、令文社)などがある。

本書は、「今も信州に残る城や古戦場にまつわる合戦談64編を収録。裏切り、裏切られが繰り返される激動の時代を戦国の武将たちや人びとはどのように生きたのか、いま戦いの軌跡がよみがえる。巻末に信州の城リストが付いた歴史ファン待望の1冊!」というもので、半年の月日をかけて、450城もの長野の城郭を掲載したという。

文庫本サイズで、携帯にも便利なうえ、非常に多数の長野の城砦が載っているという点で、サイト管理人の長野攻城の際には、必携の一冊となっている。

その書きぶりは、物語調のところもあり、原典が不明で、史実に沿ったものかは疑問なものが少なくない。

しかし、長野の城郭に関する文献が少ないなかで、貴重な本であり、末尾の一覧表(これだけでは、その城に辿り着ける可能性は低いが)を含めると、信州城郭が体系的に整理されたものである。

また、古戦場にも言及しており、川中島合戦などは比較的冷静な分析が為されている。

現在、復刊されているようで、信州の城郭に興味があれば、ぜひ一読いただきたい作品だ。

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