『山本勘助101の謎』

 

川口素生 著

PHP文庫 刊
314ページ

2006年10月18日(初版) 571円

評 価
★★★

著者は、歴史研究家(専攻は戦国・江戸時代)。1961年岡山県生まれ。岡山商科大学、法政大学文学部史学科卒業。
著書に『戦国名軍師列伝』『織田信長101の謎』、分筆に『神奈川県姓氏家系大辞典』『日本史用語大事典』など。コミック「森一族」の時代考証を担当している。

本書は、戦国時代に存在したとされる山本勘助に関する一般書。

新書らしく、目を引きやすいタイトル・外装になっており、いかにも一般向けという印象を受けるものである。
しかし、意外にも内容はしっかりしている。『甲陽軍鑑』をはじめとする史料を検討され、101の題材(謎)を解説することで、勘助の概要を知ることができる。また、それぞれの史料を明記している点も好感が持てる。

その性格上、『甲陽軍鑑』に頼らざるを得ないのは仕方ないだろう。また軍記物を中心とした記述になっているもの止むを得ないところか。

基本的には、山本勘助及び『甲陽軍鑑』について肯定したものであり、厳密な実証的歴史学とは言えないだろう。
しかし、平素な書き振りで、主要な事柄は網羅しており、山本勘助を知る入門書にはもってこいだ。

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