戦国の雄と末裔たち

 

中嶋 繁雄 著

平凡社新書 刊
243ページ

2005年12月9日(初版) 819円

評 価

著者は1929年福井県福井市生まれ。福井新聞記者、「歴史読本」編集長を経て、歴史ノンフィクション作家。著書に『明治犯科帳』『物語 大江戸牢屋敷』『大名の日本地図』など。

本書は、戦国時代の大名の子孫が、どうなったのかを記したもので、今川家、足利家、武田家、毛利家、蜂須賀家などが掲載されている。

文脈としては、戦国の歴史が概説し、その後の系譜、子孫(末裔)の有様について述べている。

しかし、このうち、末裔の歴史についてはよく分からないが、少なくとも戦国史の記述には問題が散見される。
推測が断定的に記され、セリフが入ったりと、小説的な書き方である上に、史実とは思われない内容も俗説のまま掲載している。このあたりは「作家」としての域を出ないものだろう。

したがって、歴史書・歴史新書として期待してはならないものであり、本書から戦国時代の何かを得ようとするのは無謀な話である。

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