『戦國の人々』
高柳光壽(高柳光寿) 著 |
春秋出版 刊 |
昭和37年3月25日(初版) 480円 |
評 価 |
著者は、戦国史研究の権威であった。 その研究は、極めて実証的で、予断を持たず、数多くの史料を冷静に分析される。博士の打ち出された新説の多くは、当時は画期的なものだったろうが、現在は通説になっている。 本書は、歴史家高柳氏が、戦国時代の武将について平素な記したものであり、「やさしく、面白く書いた専門書」である。 登場するのは、豊臣秀吉、明智光秀、明智秀満、柴田勝家、徳川家康、徳川秀忠、松平信康、坂崎出羽守、柳生宗矩であり、それぞれ小論文として、雑話を交えつつ論じている。 いずれも史料に基づいた氏の姿勢は変わらないものであり、平素な文章で、読み物として面白いと言える。 その中で、柴田勝家の総評について挙げると 「勝家の一生は秀吉や家康に較べて少しもひけを取らない立派なものであった。 |
(本書から著者近影)