『真説・智謀の一族 真田三代』

 

三池純正 著

洋泉社 刊
279ページ

2006年6月21日(初版)
820円

評 価
★★

著者は、1951年福岡県生まれ。工学院大学卒。東京都下の市役所に勤務しながら、武田氏を中心とした歴史を研究される在野の歴史家。『真説・川中島合戦』は氏の好著である。

本書は戦国武将として人気の高い、真田幸隆、真田昌幸、真田信之、真田幸村の通史を記したもの。

一見するからに、いかにも興味をそそるもので、また『説・川中島合戦』と同様に実証的な内容が期待される。

しかし、どうも対象・範囲が広すぎるようで、内容には深みがない。また使用する史料も決して豊富とは言えず、現代の専門書・歴史書から引用している箇所も多い。

やや怠惰な感は否めないだろう。また推測も多く、通読していて疑問に思う点も皆無ではない。

著者曰く、
「伝説・伝承というぜい肉を取り去っても、真田三代は十分に魅力ある武将たちであることに変わりはない。真田氏は信州の小勢力でありながらも、徳川氏や北条氏、そして豊臣氏といった巨大な勢力のはざまにあって、戦乱の世を懸命に駆け抜け、その生き様を最後まで鮮烈に貫いていったからである。」

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城と古戦場